眠れぬ夜の果て

2003年2月12日
携帯がなる
電話にでる
酔っぱらった彼の声
「だいじょうぶ?」
「全然ダメ」
そんな会話のやりとりの末
彼の家へとタクシーをとばす

ベルをならす
ドアがあく
酔っぱらった彼の姿
「お水飲んだ?」
「飲んでない」
そんな会話の途中でぺたんと床に座り込む彼
彼女と別れどうすることもできず
きっと自棄酒をした末のことだろう
そんな彼をみて私も苦しくなる
心が締めつけられる

「ちゃんとベッドで寝て」
「・・・キミも一緒だよね?」
「うん・・・一緒だよ」
ベッドに倒れ込んだ彼の頬に触れる
とても冷たかった
きっと外が寒かったせいだろう

彼を抱きしめる
彼が眠りにつく
私の腕の中にいるのに
彼の心はどうしてこうも遠いんだろう
そして私は眠れない夜を過ごす

うっすらと明るくなった夜明け
私はほとんど眠れないまま起きあがる
彼が目覚める
「そろそろ帰らなきゃ」
「どうして?」
「会社だし」
帰る準備をしていると彼が言う
「・・・キミも僕を捨てるの?」


こらえていたナミダが溢れた 



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